朝の学び40 創世記4章
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「『カインに七倍の復讐があれば、レメクには七十七倍。』アダムは、さらに、その妻を知っ た。彼女は男の子を産み、その子をセツと名づけて言った。『カインがアベルを殺したので、 彼の代わりに、神は私にもうひとりの子を授けられたから。』 [創世記 4:24-25]
時代背景
アダムがこの地上に定着して約六百年が過ぎた時です。人口が増えて、当時の人々は部族別 に集団を形成して、村以上の大きい単位で居住していました。ところが、集団の規模がだん だん大きくなるにつれて、部族の間に摩擦が起こりました。互いに自分の部族の領域を確保 しようとして、権利と利益を主張すると、紛争が起こったのです。
その時に、レメクが属する部族と他の部族との争いが起きて、レメクがひとりの若者から傷 を受けました。するとレメクはその若者を殺してしまったのです。この事件をちょっと見れ ば、レメクが正当防衛したようですが、実は過剰反応でした。これはレメクがそれだけ悪い 人だったことを見せてくれます。
ところが、レメクは若者を殺しても、自分を正当化するために言い訳をしました。本文[24 節]に、レメクは自分の行為を正当化するところから進んで「カインに七倍の復讐があれば、 レメクには七十七倍。」と言いました。
「カインに七倍の復讐があれば、レメクには七十七倍。」
これは難解聖句の一つです。それで、聖書の注釈によって解釈がいろいろですが、父なる神 が解き明かしてくださったみことばで正しく糧とされますように。 まず「だれでもカインを殺す者は、七倍の復讐を受ける。」と言われた方は神でした。カイ ンが弟のアベルを殺した後、地上をさまよい歩くさすらい人となったとき、神は誰もカイン を害することができないように措置してくださいました。
これは、カインの子孫に代々伝えられて、カインから六代目のレメクも知っていました。そ れで、レメクが人を殺した後、自分の先祖カインのことが思い出されたのです。レメクは自 分の正当性を主張はしましたが、他の人の目がこわかったのです。特に、死んだ若者が属す る部族に報復されることもあると思いました。
それで、神がカインに言われたことを、自分に有利に変えて言ったのです。「カインに七倍 の復讐があれば、レメクには七十七倍。」誰かが自分を害するなら、彼は神に七十七倍に復 讐されるだろうと脅したのです。
レメクはこのように言える立場ではありません。神がレメクにこう言われたこともないし、 復讐を七十七倍に膨らませたことも、あまりにもひどかったのです。しかし、レメクは自分 の利益のために、まるでそれが神のみこころであるかのように言ったのです。神のみことば を任意に変えたり、神の御名によって偽りを言ったりしては絶対いけません。
[箴言 26:2]に「逃げる雀のように、飛び去るつばめのように、いわれのないのろいはやっ て来ない。」とあります。スズメやつばめが飛び去るとき、その姿がしばらく空に見えた後、 消えてしまいます。このように、いわれのないのろいには、何の効力もありません。本文に 「カインに七倍の復讐があれば、レメクには七十七倍。」と言ったのも、同じように理解す ることができます。
人間耕作を担うカインの系図
16 節から 24 節までは、カインと彼の子孫についての記述でした。カインはアベルを殺し た後、それに対する懲らしめとして「地上をさまよい歩くさすらい人」となりました。なつ かしい故郷を離れてさ迷って、荒れ地であるノデの地に移住しました。神はカインに約束さ れたとおり、彼のいのちを守って、子孫が増えるようにしてくださいました。殺人という重 い罪を犯したカインにも、大きい恵みを施してくださったのです。
カインの子孫は、先祖アダムの正統を継ぐことはできなかったが、人間耕作の歴史である分 野をにないました。つまり、主人公の周辺人物のような役割でした。それでも神はカインの 系図を正統系図より先に記されました。カインの六代目のレメクについてはさらに詳しく 書かれ、人類文明の発達過程も教えてくださいました。
セツの誕生
次の[25 節]には、「アダムは、さらに、その妻を知った。彼女は男の子を産み、その子をセ ツと名づけて言った。『カインがアベルを殺したので、彼の代わりに、神は私にもうひとり の子を授けられたから。』」とあります。 本文[25 節]からは、時点がまたレメクの時代以前に帰ります。アダムの正統を継ぐ息子で あるセツの出生の記録があります。セツは、カインが殺したアベルの代わりに、神がアダム にくださったもうひとりの子だとあります。
アダムとエバは、この地上に定着した後、子どもをたくさん生みました。その中でもカイン とアベルを特に愛して、家業を受け継ぐようにしました。このふたりの息子はアダムとエバ が最もつらくて苦しかった時に生まれ、大きい慰めと喜びになってくれたからです。アダム はアベルを特に愛して、エバはカインのほうを愛しました。 一方、他の子どもたちは、大きくなると彼らの分け前を与えて、親を離れて住むようにしま した。彼らは互いにある程度の距離を置いて、それぞれの根拠地で家庭をつくって、子孫を 生んで増えていきました。
アダムとエバがこの地上に追い出されてきた時は、つらくて苦しい時間もあったが、徐々に 適応するようになると、暮らしが安定するようになりました。衣食住に心配がなくなって、 子どもたちも大きくなって、一緒にいると「平和だ」と感じるほどになりました。 ところが、この平和はある日、予想もしなかった出来事によって壊れてしまいました。それ は、まさにカインがアベルを殺したことです。これによってアダムとエバはアベルを失って、 カインもふところから遠く離れたところへ行かせなければなりませんでした。愛する息子 ふたりをどちらも失うようになったのです。
当時のアダムとエバの心の苦しみがわかるでしょうか? 特別に愛を与えて頼っていた息 子を一度に失った悲しみと痛みは、とうてい推し量れないほど大きかったでしょう。このよ うに苦しみの中にいたアダムとエバに、神が授けてくださった息子がまさにセツです。 アダムとエバは、アベルの後、セツを生む前にも子どもを生んで、セツの後にも多くの子ど もを生みました。ところが、あえてセツのことが記されている理由は、彼がアダムの正統を 継いだ息子だからです。
数多くの息子のうち、セツが重要な役割を担うようになった理由は何でしょうか? その 答えが[創世記 5:3]にあります。 「アダムは、百三十年生きて、彼に似た、彼のかたちどおりの子を生んだ。彼はその子をセ ツと名づけた。」とあります。 まさにセツが父のアダムに一番似た子だったのです。
